福島県は東北地方の最南端に位置し、面積は全国第3位の広さを有します。人口は、平成24年1月1日現在で1,982,991人、前年同期比人口動態は44,147人の減、うち社会動態(転入−転出)は33,160人の減となっており、原子力災害及び東日本大震災の影響によるものと考えられます。 福島県の地域がん登録は、福島県立医科大学附属病院に業務委託し、平成22年3月から開始されました。データは2008年症例に遡って収集を始め、平成22年12月より標準データベースシステムを導入し、登録を行ってきました。 がん診療連携拠点病院として8病院、県指定の推進病院として1病院が指定されていますが、2次医療圏7つ中、2つには拠点病院が配置されておらず、ばらつきが見られます。 また、年間約11,000件の届出票と、約23,000件の死亡小票の処理を行っていますが、届出の約95%を拠点・推進病院が占めています。 原発事故を受け平常時データの精度を高めるべく、平成24年4月からは実務者は4名増員され、6名体制となりました。このほかに専任の医師1名、公衆衛生学教室からのアドバイスをいただく医師2名、県の担当者1名、院内の事務担当者2名で登録を行っています。 福島県医師会、福島県病院協会をはじめとする関係機関の協力を得ながら、また国立がん研究センターや先進県の実務者のみなさまの指導のもと、今後は“がん情報の全件把握”を目指し、届出勧奨、出張採録、病理診断情報からの掘り起こし、遡り調査を進めていく予定です。